ダニが存在しないのは火山の火口くらいだと言われているほど、虫は地球上のいたるところに生息しています。近年の住宅は高気密化され冷暖房が普及し人にとって住みやすくなりましたが、虫にとってもたいへん住みやすい環境となりました。湿度、温度、餌などの条件が揃ったときには、大量発生することもあります。
畳は湿度調整機能がある為、ダニにとっても、住みやすい素材といえます。特にわら床は卵を産みつけるのに絶好の場所です。次のような条件が揃うと大量発生し、被害をもたらします。この為、最近はダニが繁殖しにくいボード床が使われるようになりました。
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ダニの繁殖する条件 |
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室内の温度湿度が高いこと
(アルミサッシの気密性,昼間留守にする,冬の暖房,台所からの湿気等で 最近の室内は温度湿度が高くなっています)
えさがあること
(人のフケ,アカ,食物カス,カビ,チャタテムシ等タンパク質を食べます)
潜って卵を生む場所があること(わら,ジュウタン,布団,ぬいぐるみ,布製椅子等)
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すぐにできる事
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◎
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◎
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部屋を徹底的に掃除する。家具等も動かして後ろのごみを掃除する
(和室は特に念入りに、掃除機は畳1枚30秒以上かける)
押入、タンスの中も掃除して防虫剤を入れておく。
くん煙剤を使う。
(表面のダニには有効だが、畳の中までは薬が届かないのが欠点)
注入式殺虫剤を使う。(有効範囲は1p四方程度。表面に薬品が付かないよう注意)
防虫剤をスプレーする。 ( 直接肌が触れるところですので薬品を使ったものは避けた方が賢明です)
畳の下に粉末ナフタリンをまく。(一枚あたり 30g程度。においがかなりキツイ。
一週間位は 表面にダニが 逃げ出してくるので掃除機で 小まめに吸い取る)
防虫紙を畳の下に敷く。(出てきたダニが防虫紙に接触した時 有効)
ジュウタンは、はがす。
布団を日光にあてる。(焼けたトタン屋根にじかに干すと効果的)
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以上のような事ですが、完全に退治するのは難しいです。
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根本的な対策 |
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畳、布団を加熱乾燥させる。(わらは断熱効果が高いので中心部まで温度を上げるには かなり長時間の加熱が必要、時間が短いと効果はない)
これはかなり有効な手段です。ダニを完全に退治でき、人体にも害がありません。しかし持続性がないのが欠点です。 部屋に戻して上記条件がそろうと再発生します。
畳床を化学床に取り替える (ボード床等) ダニ対策の結果
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予防 (防虫) |
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◎
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湿気が多い家は、床下換気扇をつける。
常に部屋を清潔にし、換気をする。
春先に畳の下に粉末ナフタリンをまいておく。(予防)
押入、タンスにも防虫剤を入れておく。
畳の上にジュウタンを敷かない。
畳替えの時に備長炭シートを畳の中に縫い込む。(予防)
布団を時々、日光に干す。 |